皆さん、こんにちは。
土井けいじです。
長年ラーメン屋に通い続けている僕ですが、最近になってつくづく感じることが1つ。
「最近、一人でラーメン屋に来る人、増えたなぁ」。
寒空の下を歩いて冷え切った身体を、濃厚な豚骨スープで温めながらラーメンを堪能していたこの日も、ふと店内を見渡すと、客の半数以上が、一人で食事に来た人たちでした。
思えば、「1人カラオケ」「1人映画鑑賞」など、1人で行動すること、世の中全体で増えてきていますね。
ネット社会の到来なのか、これもコロナウイルスの影響なのか、徐々に世の中の価値観が変わりつつあることの証拠でしょう。
「1人でラーメン屋」も、その価値観の変化の中の1つなのでしょう。
■女性は群れの生き物? 数字で見える、明確な男女の差
先日ふとネットの記事で見たのですが、この「1人○○」は、男性の方が経験者が多いようです。「1人スイーツ」など、一部例外はありますが、ほとんどの場合、「1人○○」の経験割合は、圧倒的に男性の方が高いです。
確かに、そう言われてみたうえでラーメン屋を見渡してみると、おっしゃる通り、一人客は男性がほとんどで、あとは家族連れや友達連ればかりでした。
そして、これは後から知った話ですが、実は「1人○○」の中で、経験者の割合の男女差が最も大きいのが、「1人でラーメン屋」なのだそうです。
「1人でラーメン屋」を経験したことのある人の割合は、男性では7割にものぼりますが、女性だと3割程度にとどまるので、かなり大きな差がついています。
ではなぜこんなにも、男女差がつくのか?
おそらく価値観が異なっているからだと思います。
もちろん、見解は様々あるとは思いますが、「コミュニティづくりが肝」という価値観に基づいて仕事をしてきた僕からすると、この男女差は、自然とうなずけるものだなと思います。
それは、少なくとも僕の経験からすると、女性は男性よりも集団を好む価値観を持っているからです。
おそらくこれは、人間に限った話ではないのだろうと思います。
自然界において、メスは自分の子どもを守る必要があり、他のメスやオスたちと集団行動をとることによって、その目的を果たそうとします。
また、オスと比べて身体が小さく、力も弱いメスは、狩りや食事などの際に、複数の個体で行動をともにすることが多いです。
この、生物としてのメスの本能が人間の女性の価値観にも、はっきりと影響を与えているなと感じます。
例えば、学校などでトイレに行くとき。
男性は行きたくなったら一人でもすぐに行きますが、女性は誰かを誘って、連れ立ってトイレに行こうとします。
現在とひと昔前では、価値観が少し異なっているので、現在は昔ほどこの傾向がないのかもしれませんが、少なくとも僕の学生時代はそうでした。
あるいは、お気に入りのラーメン屋を見つけたとき。
男性は、その店のことを周りに話すことはあまりせず、情報を独り占めしようとすることがあります。
しかし女性は、すぐに友達に共有し、「今度みんなで行こう」という流れを作り出します。
全員が全員そうだというつもりはありませんし、どちらがいいとか悪いとか、そういう話がしたいわけではありません。
ただ、男性と女性とでは、かなり明確な価値観の違いがあるなとは思います。
そして、あくまで僕の経験から来る実感ですが、女性は、「群れを作ることを好む」という価値観をもつだけでなく、自分が所属する集団において、独自の輝きを放ちます。
■女性がいるコミュニティの強さとは?
男性だけでできたコミュニティと、男性と女性が共存するコミュニティ。
この2つには、明確な違いがあります。
(女性だけでできたコミュニティももちろん存在すると思いますが、僕が所属した経験がないので、その価値観や特徴など、知る由もないため、ここでは言及しません。)
そして、どちらの価値観も否定するつもりはありませんが、男性だけでつくるより、男女が共存してつくる方が、強固なコミュニティができます。
そこで今回は、あくまで僕の経験に基づいて、女性がいるコミュニティやその価値観の特徴について、大きく3つ紹介したいと思います。
①帰属意識
繰り返しになりますが、女性の方が男性よりも、コミュニティを好む価値観を持っています。そのため、コミュニティに対する思い入れが強くなるので、帰属意識も自ずと高まってきます。
一方、男性は、「自分の成長」「自分の結果」が第一で、コミュニティはあくまでその実現手段にすぎない、という価値観をもっている傾向があります。
これもやはり、動物に置き換えてみるとわかりやすいのではないでしょうか。
人間も含め、すべての生物が生きる目的は「種の存続」。
(人間に関して言えば、個人個人が生きる目的は、その個人の価値観によって様々でしょう。しかし、「人間の」「生物の」と大きくくくったとき、その生きる目的は、「種の存続」ということになるのではないでしょうか。―これもあくまで、僕という一個人の価値観に過ぎないのかもしれませんが。)
そして、この「種の存続」という目的達成のために、オスとメスでは、明確に役割が分かれています。
オスの役割は「まき散らすこと」。とにかく、自分自身の遺伝子を、少しでも多く残そうという価値観が、生まれながらにして備わっているといえるでしょう。
一方、メスの役割は「守ること」「育てること」。
せっかくオスが子どもに遺伝子を残しても、その子どもが成長し、次の子どもを残さなければ意味がないので、メスがその子どもを守り、育てるというわけです。
―さて、この価値観を前提にすれば、「女性の方が帰属意識が強い」という価値観にも、うなずける部分があるのではないでしょうか。
女性は、子どもを守る。だから、子どもだけではなく、子どもが大切にしている周りの子供や環境までも大切にする。これが、コミュニティへの帰属意識という価値観に通じているのではないかと思うのです。
ここまでは僕の価値観、推測の部分が大きいので本当なのかどうかわからない部分もありますが、僕の経験上間違いなく言えるのは、女性の方が、「このコミュニティのために」という価値観が強い傾向にあり、やがて男性がその影響を受け始めることが多い、ということです。
もちろん例外もありますし、絶対にそうだということでもありません。
②一体感
上記でお話しした、「このコミュニティのために」という価値観が複数集まると、やがてそれは一体感を生みます。そのため、女性がいる方が、コミュニティ全体としての一体感が強くなる傾向があると、僕は感じています。
もちろん、学生たちの部活動やプロスポーツチームがそうであるように、男性だけのチームでも一体感は生まれます。
しかし、その一体感の源泉が異なります。
女性の場合は、「このコミュニティのために」という価値観。
男性の場合は、「何が何でもこれを成し遂げたい」というビジョン。
だから、男性の場合、「ここにいても目標が達成できない」と感じると、別のコミュニティに移る、ということは、決して珍しいことではありません。
しかし、女性の場合、「コミュニティ」そのものが一体感の源泉となっているため、コミュニティからの離脱が、比較的起こりにくいです。
これも、生物としての本能が関係しているのかもしれません。
オスは群れをつくらない、あるいはつくったとしても離れて行動することが多いです。そもそも、群れというのは、オスがつくりだすものなので、今の群れから離れても、また自分でつくればいい、という価値観があるのでしょう。
一方、メスにとっては、群れから離脱することは、死を意味します。
オスと交尾し、子供を授かった瞬間から、メスは群れに所属し、その群れの中で子どもを育てます。そして、メスが群れから離れると、他の動物から襲われる危険にさらされますし、他のオスの子どもを連れているメスを助けてくれるオスなど、動物界には存在しないでしょう。
こう考えると、女性の方が男性よりもコミュニティの必要性やコミュニティへの想い入れが強く、それが複数集まると、一体感が生まれてくる、ということも、合点がいくのではないでしょうか。
③温もり
最後は「温もり」です。ここでいう「温もり」とは、「アットホームな雰囲気」「ほっこりした感じ」と表現してもいいのかもしれません。
もはや言わずもがなな気がしますが、コミュニティへの帰属意識が強く、それが集まって一体感を生んでいく女性にとっては、「コミュニティに所属している」というそれだけで、愛情を注ぐ対象になります。だから、女性がいると、一人一人を大切にする価値観が浸透し、自然と「温もり」に溢れるコミュニティができます。
以上、僕が思う、女性がいるコミュニティの特長についてお話ししてきました。
ここで、もう一度だけお伝えしますが、上記はあくまで僕の体験、体験によって形成された価値観から来る見解であり、それが正しいとか、人類共通の価値観だとか、そんな傲慢なことを言うつもりはありません。対立する価値観が存在することも重々承知のうえで、あくまでも個人的な価値観を綴りました。
そんな僕からすると、現在の日本社会が、会社をはじめとする多くの組織に、女性の進出を促しているのは、大変望ましいことだなと思います。
女性が加わることで、温もりと一体感に溢れた、素敵な組織がたくさん形成されることでしょう。
かく言う僕も、皆で豊かになっていける、そんなコミュニティの拡張のために、今日も仕事します。
土井けいじでした。