皆さんにちは、土井けいじです。
皆さんは台湾ラーメンという、真っ赤なスープにニラとひき肉の炒め物(お店によって具材は多少異なります)、燃えるような辛さのラーメンをご存じでしょうか。
以前、名古屋で仕事をしていた友人に連れられて、名古屋で多店舗を出している『味仙』さんというお店に、台湾ラーメンを食べに行きました。
台湾ラーメンとはどのような料理かというと、細めの麺を、鶏ガラベースの醤油風味のスープに入れて、ニンニクと唐辛子を炒めたひき肉と、ニラともやしがトッピングされた料理です。
僕が食べたのは普通の辛さのものでしたが、それでも非常に辛く、ホテルに戻った後もずっと胃が締め付けられるような辛さで、ただその辛いスープがニラとひき肉の炒め物に良く合い、やみつきになる美味しさでした。
友人は『イタリアン』と呼ばれる通常の辛さの二倍辛いラーメンを食べており(イタリアンの由来は、コーヒーをより濃くしたエスプレッソコーヒーに由来するそうです)、完食後朝までずっと、トイレから出てくることはありませんでした。笑
このいかにも台湾発祥という感じのラーメン、実は日本が発祥国の名古屋メシなのです。
東京でも『味仙』という中華料理屋さんを多く見かけることがありますが、この東京の味仙は名古屋で台湾ラーメンを食べることのできる味仙とは別の店舗になりますので、今回は名古屋で台湾ラーメンを食べることのできる味仙の歴史について、書き留めておきたいと思います。
台湾ラーメンの起源は台湾料理料理ですが、実は日本発祥の麺料理です。
台湾・台中州大甲郡出身の父を持つ郭明優(かく・めいゆう)さんが、旅行で訪れた臺北の臺南料理店で担仔麺を食べたことがきっかけとされており、その後、自身が営む中華料理店「味仙」で、1971年(昭和46年)から客への提供を始めたことが、この台湾ラーメンと味仙の歴史で、味仙のある今池近辺に朝鮮人が多く住んでいたことを考慮し唐辛子を加えた
味仙で台湾ラーメンが評判になると、たちまち他店でも品書きに載るようになったそうです。
愛知県中華料理環境衛生同業組合による2000年(平成12年)の調査では、名古屋市内のラーメン専門店約380店のうち、200店以上が台湾ラーメンを提供しているとのこと。
味仙は、他店が台湾ラーメンの名称で同様のメニューを提供することに対しては肯定的であるそうで、商標登録を取るつもりも全くないそうです。
僕の推測ではありますが、台湾ラーメンは今池近辺に住んでいた人たちにより美味しく食べてもらいたいという愛情から生まれ、商標登録という独占的な方法をとらずより多くの人に楽しんでもらおうという心意気が、台湾ラーメンが単なるお店の一メニューではなく、『名古屋メシ』となっている理由なのではないでしょうか。
僕自身も目先の利益にとらわれず、より多くの人に喜んでもらおうという商売の気持ちを忘れずに日々精進していきます。
土井けいじでした。